母の海。
わたしたちが日々つくっている塩の名前です。
すべての生き物は海から生まれました。
海のミネラルの成分は
私たちの身体のミネラルとほぼおなじ。
味だけではなく、体が満たされ、
心もよろこぶ母の海を料理に使ってみてください。
ほら、すぐにわかるはずです。
海の水をくみ上げ
濃度を高め、
薪でていねいに炊き上げます。
師匠から受け継いだ
昔ながらのやり方です。
海水を焚いてつくる日本の
伝統的な作り方の塩。
塩化ナトリウムを核として
海水中のありとあらゆる
ミネラルが凝縮しています。
塩分濃度を濃くした
“鹹水”(かんすい)を
低温結晶釜に移して
じっくりと結晶化させる花のように大きく美しいお塩。
塩分濃度を濃くした
“鹹水”(かんすい)を
低温結晶釜に移して
じっくりと結晶化させる花のように大きく美しいお塩。
うみをそのまま焚き上げた
うまい塩
長崎半島のはしっこの野母崎。
その中でもいちばん南端にある島が樺島です。
外海と内海がぶつかり南風が強いこの島は
たくさんの渡り鳥にとって重要な休み場でもあります。
かつて天草での塩修業時代のこと。
西海岸を塩の配達をしに車で走っているとき、
天草よりもさらに西の海上に突き出して見える
細く長い半島のような場所がありました。
あの海に突き出した場所はいったい何なんだろう、
なんという場所なんだろう、と思いを巡らせていました。
数年経ち、天草を離れてからずっと念頭にあった
塩屋を立ち上げる決意をして、
まず向かったのがその、野母崎半島でした。
何も手掛かりがない中で暗中模索しながら
たどり着いたのが樺島であり、
いま私たちが塩釜を据えた漁港の端のこの場所。
釜を鉄板から溶接し“落とし”のある二段式の平釜を作り、
塩小屋を廃材を使って土台から建てています。
海水はかつての修行の地である天草の大江も望める
天草灘出口の潮流の早い場所から採取。
人間の生活圏から離れすぎず、しかし微生物や海の生物、
山の木々が生い茂るミネラル豊富で
美しい海水を汲んでいます。
命の源である海、その潮の満ち引きと潮流に
寄り添いながら
その海水を手塩にかけて
じっくり結晶化させていく事が日々の営みの結晶であり、
その塩をみなさんの食卓にお届けすることが
我々がここで生きている証でもあります。